附置研究所・研究センター


最終更新日
2020/02/10


更新情報

2015年10月02日 第67回品川セミナー申込を開始しました

2015年09月04日 第66回品川セミナー申込を開始しました

2015年09月03日 第68回品川セミナー情報を追加しました

2015年08月27日 第67回品川セミナー情報を追加しました

2015年08月07日 第65回品川セミナー申込を開始しました

2015年08月06日 第66回品川セミナー情報を追加しました

2015年07月15日 第65回品川セミナー情報を追加しました

2015年07月03日 第64回品川セミナー申込を開始しました

2015年06月05日 第63回品川セミナー申込を開始しました

2015年06月03日 第64回品川セミナー情報を追加しました

2015年05月13日 第63回品川セミナー情報を追加しました

2015年05月08日 第62回品川セミナー申込を開始しました

2015年04月15日 第62回品川セミナー情報を追加しました

2015年04月03日 第61回品川セミナー申込を開始しました

2015年03月09日 第61回品川セミナー情報を追加しました

2015年03月06日 第60回品川セミナー申込を開始しました

2015年02月06日 第60回品川セミナー情報を追加しました

2015年02月06日 第59回品川セミナー申込を開始しました

2015年02月06日 第59回品川セミナー情報を追加しました

2015年01月09日 第58回品川セミナー申込を開始しました

2014年12月15日 第58回品川セミナー情報を追加しました

2014年12月5日 第57回品川セミナー申込を開始しました

2014年11月25日 第57回品川セミナー情報を追加しました

2014年11月7日 第56回品川セミナー申込を開始しました

2014年10月10日 第56回品川セミナー情報を追加しました

2014年10月3日 第55回品川セミナー申込を開始しました

2014年9月5日 第54回品川セミナー申込を開始しました

2014年9月1日 第55回品川セミナー情報を追加しました

2014年8月1日 第53回品川セミナー申込を開始しました

2014年7月25日 第54回品川セミナー情報を追加しました

2014年7月22日 第53回品川セミナー情報を追加しました

2014年7月4日 第52回品川セミナー申込を開始しました

2014年6月6日 第51回品川セミナー申込を開始しました

2014年5月22日 第52回品川セミナー情報を追加しました

2014年5月2日 第50回品川セミナー申込を開始しました

2014年4月4日 第49回品川セミナー申込を開始しました

2014年1月15日 第9回附置研究所・センターシンポジウム「京都からの提言」(仙台)申込を開始しました

2014年1月10日 第46回品川セミナー申込を開始しました

2014年1月10日 第47回品川セミナー情報を追加しました

2013年12月6日 第46回品川セミナー情報を追加しました

2013年12月6日 第45回品川セミナー申込を開始しました

2013年11月27日 第45回品川セミナー情報を追加しました

2013年11月1日 第44回品川セミナー申込を開始しました

2013年10月10日 第44回品川セミナー情報を追加しました

2013年10月3日 第43回品川セミナー申込を開始しました

2013年9月6日 第43回品川セミナー情報を追加しました

2013年9月6日 第42回品川セミナー申込を開始しました

2013年8月6日 第42回品川セミナー情報を追加しました

2013年8月2日 第41回品川セミナー申込を開始しました

2013年7月19日 第41回品川セミナー情報を追加しました

2013年7月5日 第40回品川セミナー申込を開始しました

2013年7月2日 第40回品川セミナー情報を追加しました

2013年6月1日 第39回品川セミナー申込を開始しました

2013年5月15日 第39回品川セミナー情報を追加しました

2013年5月2日 第38回品川セミナー申込を開始しました

2013年4月5日 第37回品川セミナー申込を開始しました

2013年3月6日 第38回品川セミナー情報を追加しました

2013年3月1日 第36回品川セミナー申込を開始しました

2013年2月5日 第37回品川セミナー情報を追加しました

2013年2月1日 第35回品川セミナー申込を開始しました

2013年1月21日 品川セミナー第36回情報を追加しました

2013年1月18日 品川セミナー第35回情報を追加しました

2013年1月11日 第34回品川セミナー申込を開始しました

2012年12月12日 第8回附置研究所・センターシンポジウム「京都からの提言」(北海道)申込を開始しました

2012年12月10日 第33回品川セミナー申込を開始しました

2012年12月5日 品川セミナー第34回情報を追加しました

2012年11月9日 品川セミナー第33回情報を追加しました

2012年11月2日 第32回品川セミナー申込を開始しました

2012年10月5日 第31回品川セミナー申込を開始しました

2012年10月2日 品川セミナー第32回情報を追加しました

2012年9月7日 第30回品川セミナー申込を開始しました

2012年8月27日 品川セミナー第31回情報を追加しました

2012年8月3日 第29回品川セミナー申込を開始しました

2012年7月30日 品川セミナー第30回情報を追加しました

2012年7月19日 品川セミナー第29回情報を追加しました

2012年7月6日 第28回品川セミナー申込を開始しました

2012年6月1日 第27回品川セミナー申込を開始しました

2012年5月18日 品川セミナー第28回情報を追加しました

2012年5月11日 第26回品川セミナー申込を開始しました

2012年5月7日 品川セミナー第27回情報を追加しました

2012年5月1日 品川セミナー第26回情報を追加しました

2012年4月6日 第25回品川セミナー申込を開始しました

2012年3月2日 品川セミナー第25回情報を追加しました

2012年3月2日 第24回品川セミナー申込を開始しました

2012年2月29日 品川セミナー第24回情報を追加しました

2012年2月8日 第23回品川セミナー申込を開始しました

2012年2月6日 品川セミナー第23回情報を追加しました

2012年1月6日 第22回品川セミナー申込を開始しました

2011年12月6日 品川セミナー第22回情報を追加しました

2011年12月2日 第21回品川セミナー申込を開始しました

2011年11月15日 品川セミナー第21回情報を追加しました

2011年11月7日 第20回品川セミナー申込を開始しました

2011年10月2日 品川セミナー第19回情報を追加しました

2011年10月2日 品川セミナー第20回情報を追加しました

2011年9月2日 第18回品川セミナー申込を開始しました

2011年8月29日 品川セミナー第18回情報を追加しました

2011年8月5日 第17回品川セミナー申込を開始しました

2011年7月5日 品川セミナー第17回情報を追加しました

2011年7月4日 第16回品川セミナー申込を開始しました

2011年6月6日 品川セミナー第19回情報を追加しました

2011年6月3日 第15回品川セミナー申込を開始しました

2011年5月25日 品川セミナー第15回情報を追加しました

2011年5月13日 第14回品川セミナー申込を開始しました

2011年5月9日 第6回附置研究所・センターシンポジウム(京都)申込を開始しました

2011年4月22日 品川セミナー第14回情報を追加しました

2011年4月14日 第13回品川セミナー申込を開始しました

2011年3月7日 品川セミナー第13回情報を追加しました

2011年1月24日 品川セミナー第12回情報を追加しました

2011年1月11日 第10回品川セミナー申込を開始しました

2010年12月10日 第9回品川セミナー申込を開始しました

2010年12月1日 第6回附置研究所・センターシンポジウム申込を開始しました

2010年11月10日 第8回品川セミナー申込を開始しました

2010年10月15日 品川セミナー第10回情報を追加しました

2010年10月12日 品川セミナー第9回情報を追加しました

2010年10月12日 品川セミナー第8回情報を追加しました

2010年10月12日 第7回品川セミナー申込を開始しました

2010年9月30日 品川セミナー第11回情報を追加しました

2010年9月13日 第6回品川セミナー申込を開始しました

2010年8月27日 品川セミナー第7回情報を追加しました

2010年8月9日 第5回品川セミナー申込を開始しました

2010年8月2日 第6回附置研究所・センターシンポジウム「京都からの提言」情報を追加しました

京都大学附置研究所・センター
Kyoto University Institutes and Centers (KUIC)


第46回品川セミナー
平成26年3月7日(金) 17:30より
三重野 文晴(東南アジア研究所・准教授)

ミャンマー経済の現状と今後の展望

ミャンマーでは、2010年11月に総選挙が実施され、翌年3月開かれた国会で憲法が採択されて、テイン・セイン大統領の新政権が発足した。2012年1月には、民主化運動指導者が大量に釈放され、補欠選挙でアウン・サン・スーチーが議員に選出されている。

他方、2011年8月ころから経済改革も加速し、2012年4月には中央銀行が市場為替レートを公認する形で複数為替レート制度が解消された。ティラワ、ダウェー等では大規模港湾・工業地区造成が検討されている。

政権の経済改革の目標としての特徴は、特に、地方少数民族に配慮した貧困削減と包摂的成長を強調し、ASEAN経済統合と次回選挙を視野に改革の目標期限を2015年までと短く区切っていることに見いだすことができる。  

  

経済改革と現在の経済環境を考えるためには、課題を4つにわけると理解しやすいのではないかと思われる。

1つ目に、明らかにこの経済改革によってはじめて動き出したものがある。複数為替制度とマクロ経済の不安定性がミャンマー経済の元凶だったが、現政権は制度の再構築に取り組みマクロ経済の安定化に成功している。

2つ目は、軍政下の経済構造変化への対応としての課題がある。過去20年の軍政下の不安定なマクロ経済のもとでも、サービス業、宝石、またおそらく麻薬などの輸出を通じて民間部門の資本蓄積が建設不動産、銀行業を中心に進んでおり、地場の財閥が成長している。これらの活力を引き出しつつどのように統御していくかという点が重要である。萌芽的に現れている農業、工業部門をどう支援していくか、という論点も重要である。

3つ目は、政治経済改革の背景には、短期的な外部経済環境の変化によるミャンマー経済の好転があることである。2004年頃から天然ガスの輸出は大幅に成長が拡大した。これが天然ガス事業を独占する国営企業を通じて政府収入となり、アジア金融危機以降、払底していた外貨準備の回復に寄与した。政治・経済改革に乗り出す前提としてこうした経済の好転があったこと、それゆえにその環境の今後の変化が改革に影響する可能性を、認識しておく必要がある。

4つ目として、経済改革によって新たに勘案しなければならないリスクがある。直接投資を受け入れることで、これまで動きがなかった国際資本フローにミャンマー経済がさらされ、海外の状況に影響されやすくなり、マクロ経済の運営もより複雑になるだろう。 

1990年代の軍政下の経済改革では国有企業の民営化は不徹底だったといわるが、この20年で国営企業の存在は低下している。一方で、この20年間、民間資本の企業は国内セクターを中心とする財閥として成長してきた。まず貿易業によって資本蓄積を行い、不安定性なマクロ経済の中で、国内の不動産部門への投資や建設業で伸びたケースが多い。

例えば、SPG-FMIグループはその典型的な企業であり、貿易業で成長したのちにライセンスを得て、銀行業にも進出してくる。カンボーザ銀行は、最大手の銀行であるが、オーナーは、シャン州の宝石(ルビー)商人である。国内のサービスセクターを中心に拡大し、国内の航空機産業にも参入している。ネピドー首都移転時の道路・空港等インフラ建設の多くを担ったとされるAsian Wealth Groupは、シャン州・コーカン地区の指導者で麻薬王のLo Hsinh Hanが中央に帰順後に設立した企業として知られている。

  

現段階の経済改革の課題としては、このように成長してきた民間資本をしっかり統御していくための経済・企業システムを構築していくかということが重要である。また、これまで十分な成長を果たしてこなかった縫製業や農業の成長の萌芽がみられることは明るい材料であり、こうした分野の支援をどう考えていくかも大事である。他方、オランダ病など資源輸出型のマクロ経済構造が持つ問題とどう折り合いをつけるのかという課題もある。国内の資源動員を効率的におこなうための金融システムの再構築も重要な課題である。