静岡大学理学部を卒業し、京都大学大学院理学研究科生物学専攻で博士(理学)の学位を取得しました。米国スミソニアン環境研究センター、東京都立大学、神戸大学を経て、京都大学生態学研究センターで研究をしています。専門は植物生態学、分子生態学です。特にアブラナ科の野生植物が好きで、ハクサンハタザオ、タチスズシロソウ、タネツケバナ、コンロンソウなどを研究しています。


Q1. どのような学生生活を送られていましたか

気の合う友達と楽しく過ごしていました。何でも一人でできると思っていた、自由気ままな普通の学生だったと思います。課外時間は、山岳部に入って山登りをしていました。生物学はわからなくても好きでした。高校で広く学んだことには、今でも助けられています。生徒に様々な経験をさせようとされていた先生方に感謝しています。

Q2. ご自身の研究の面白さを一言でいうと!

動くことができない植物が、どのように環境の変化を受入れ、どのように対処しているのかに興味があります。同じ場所に何回も通って植物の微妙な変化を研究し、その絶妙さに気づかされたときに喜びを感じます。

Q3. 講演でこれを伝えたい イチオシ

携帯やカレンダーがない世界で、今日が何月なのかを知るにはどうすれば良いでしょうか? 先週は今週より寒かったか、暖かかったか覚えていますか? 3週間前ならどうでしょう? 気温の変化から季節を知ることができる植物の能力について伝えたいです。

Q4. 進路に迷う中学生・高校生の皆様へ

やりたいことが決まるまでは、可能性を広げる方向で行動してみてはどうでしょうか?少しでも興味をもてるものには、とりあえずかかわってみましょう。失敗をおそれずに、とにかくやってみましょう。本を読むことも、可能性を広げることにつながります。

Q5. 先生と長野県とのゆかりなどいろいろ(ご出身や旅行での思い出、好物・関心事など)

長野県は、世界に誇ることができる独自で豊かな自然環境に特徴づけられます。長野県の生物多様性が保全され、継続的に維持されますよう、各方面のご尽力をお願いしたいです。

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