京都大学大学院経済学研究科修士課程修了後、イギリスのNGOのデータアナリストを経て、経済学博士(京都大学)取得しました。2020 年~ 2023年3月まで信州大学経法学部に所属していました。専門は、開発経済学です。途上国の貧困者の意思決定に関する実証研究を通して、貧困対策には何が重要なのかを解明し、実際の貧困削減へと繋げるように努めています。




reseachmap(翟亜蕾先生):https://researchmap.jp/yalei

Q1. どのような学生生活を送られていましたか

私は中国出身で、大学の交換留学プログラムを通じて日本にやってきました。参考になるかはわかりませんが、義務教育の段階はのんびりしていて、推理小説やファッション誌ばっかり読んでいました。進学校(高校)には合格しましたが、成績は真ん中より上で、上位でもなかったです。高1の後期に入ってからは、「理数系高学歴しか勝たん」と先生や先輩に洗脳されて、その後は勉強漬けの毎日を送っていました。

Q2. ご自身の研究の面白さを一言でいうと!

図1から、ミャンマー人出稼ぎ女性は、出身家庭が貧しいほど(家庭資産が少ないほど)、親への仕送りが少なくなる傾向にあることが読み取れます。一見して残念に思われる行動ですが、その背後には、実は合理性があることを経済学的に検証できます。

Q3. 講演でこれを伝えたい イチオシ

京大式フィールドワークを通じて、途上国の現場を丹念に探ることによって、しばしば「机上の空論」と揶揄される経済学研究を一新していきましょう。(図2)

Q4. 進路に迷う中学生・高校生の皆様へ

迷いは当然!私自身も迷いながら、化学→言語(日本語)→ 経済学 → 東南アジア研究、という無駄のやたら多いルートを歩んできたのです。とは言っても、理系を専攻にしたおかげで、後に経済学の勉強に必須である数学やプログラミングに抵抗がなかったし、日本語を体系的に学んだから日本のアカデミアに就職できたし、後々考えると、まったく無駄がなかったように思います。要するに、絶対にやりたくないことさえ避ければ、何か違うかもと感じたら、軌道修正すれば大丈夫です。

Q5. 先生と長野県とのゆかりなどいろいろ(ご出身や旅行での思い出、好物・関心事など)

2020年から2023年までの3年間、信州大学経法学部(松本キャンパス)で教えていました。松本にいる三年間は、とにかくフルーツ王国長野の果物狩りを楽しんでいました。リンゴは言うまでもなく、松川村のさくらんぼう、伊那のいちご、安曇野のブルーベリー、佐久平のプルーンなどなど、とれたてを味わえるのはもちろん、いろんなオリジナル品種を食べ比べられるのも長野県だからこそできることですね。(図3)

図1:送金額の観測値(縦軸)と家庭資産の推定値(横軸)の散布図
図1:送金額の観測値(縦軸)と家庭資産の推定値(横軸)の散布図 図2:ご飯を食べながら大事な「おもちゃ」を守るミャンマーの男の子図2:ご飯を食べながら大事な「おもちゃ」を守るミャンマーの男の子 図3:信州大学にいた2022年の写真図3:信州大学にいた2022年の写真